今回は「楽しさ」について、私の想いをお伝えしたいと思います。
長文になりますが、お付き合いいただけると幸いです。
先日、高校生になった元塾生の女の子が、教室に挨拶に来てくれました。
小5から中3の高校入試が終わるまで、約5年間私の塾に通ってくれた子です。
彼女と会うのは半年ぶりで、学校の部活帰りに、久しぶりに教室に寄ってみたとのことでした。
以前より髪を短くし、制服姿で久しぶりに会う笑顔の彼女に「学校はどう?」と聞くと、
「ガチで楽しい!」
という返事が返ってきました。
私はそれを聴いて安心、というよりも、そりゃそうでしょうと納得しました。
だって彼女はいつも楽しいのです。
部活も友達との遊びも、いつも一生懸命。
勉強はいつもヒヤヒヤですが…
きっと高校生になった今でもそうなのでしょう。
いつもギリギリなのが彼女の良さ。
顔を見れば分かります。
彼女とは5年間一緒に勉強したのですから。
彼女が夢に向かって、ずっと準備していることも。
今、中3の生徒たちは、志望校選びの真っ最中です。
毎年、生徒が志望校選びの際に、聞こえてくるのは「どの学校が楽しいか」という話です。
充実した高校生を送るためにも、やはり「楽しさ」という観点は外せないようです。
しかし、「楽しさ」って、なんでしょうか。
人それぞれ、いろいろな考え方があり、中学生なりの価値観もあって、それを一概にひと括りにできません。
でも私は、楽しさは自分で作るものだと思うのです。
高校の選択についてもそうでしょう。
どんな環境に身をおけば、自分をより成長させることができるのか。
どんな人と関わり、どんな仲間が欲しくて、どんな学校生活にしたいのか、未来にしたいのか。
どの環境で自分を磨き、発揮し、夢を見つけるのか、夢に近づくのか。
中学生にとっては、まだそれがピンとこないのかもしれません。
それでも私は考えてほしい。
未来に向き合ってほしい。
そう思います。
楽しさというのは、学校や誰かが用意したり、提供してくれるものではありません。
自分で追求するものです。
目先の楽しい時間を過ごすことも「楽しさ」ですが、新しい自分、まだ見ぬ世界に挑戦するときめき、乗り越える辛さ、緊張、苦悩、葛藤、それを乗り越えるスリルも「楽しさ」といえるのではないでしょうか。
子どもたちには、そのプロセスを「楽しさ」として受け入れる余裕と器をつくってほしいと願っています。
もちろん、そのとき、その瞬間は、それどころじゃないかかもしれません。
でも、いつか、そのプロセスこそが、楽しい時間だったと振り返ることができれば、きっとその時間と経験は大きな糧となり、生きる力を自信に繫がると思うのです。
私は生徒たちに、前向きな選択、進路決定をしてほしい。
自分の未来に対して堂々と戦うための環境を手に入れ、希望に満ちた高校生活を送ってほしい。
自分の憧れや目標に対して、努力する癖をつけてほしい。
努力する楽しさを知ってほしい!
私はそのきっかけの一つが「受験」だと思います。
どうか、子どもたちの未来が輝かしい未来でありますようにと願い、塾人の私は、今日も受験指導です。
スクール長 鎌田
(「サイタ・メンバーズ通信」掲載コラムより)